平均寿命がどんどん伸びていく中で、独居世帯がどんどん増えています。厚生労働省の調べでは、2035年に65歳以上の高齢者が1人で暮らす独居老人世帯が、全世帯の15.3%に達するとの推計を発表しました。

これまでは、中高年の世代で離婚や死別した場合、再婚にはかなり慎重で、なかなか踏み切れませんでした。

しかし、近年、熟年シングル者は結婚に積極的で熟年お見合いバスツアーは、大盛況でキャンセル待ちだそうです。

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背景の一つのには、独居老人、孤独死、震災などのニュースがきっかけになっているとも言われています。

また、若い世代の体力低下とは反対に、65歳以上の体力や気力が年々上がり続けていることもあります。

確かに、ちょっと前の60代と、今の60代では10~15歳は違うような気がしますよね~。

60歳でも、あと30年近くの人生が残されているわけですから、結婚は、ひじょうに現実的なものになってきます。

ただ、シニア以降の結婚は、財産、双方の子供のこと、親戚関係、お墓、介護など、しっかり考えてからする必要があります。

結婚しなくても、心から信頼できるパートナー関係でいれば気も楽だし、法律的に余計な心配もせず、いいかもしれません。

欧米では、結婚よりパートナー関係で生活する人がどんどん増えているようですよ。
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最近の熟年婚活パーティに参加する人を調べてみると、75歳以上の後期高齢者が増えているそうです。

2011年には、全国で1213人が結婚したそうです。

参加者に感想を聞いてみると、「人生経験は豊富だが、恋愛はままならない」といった感じだそうです。

84歳の男性 婚活歴6年

銀行に勤めて定年退職、66歳まで母親の介護をし、親子2人で暮らしてきたため、結婚経験なしの独身です。

婚活に目覚めた理由は、「孤独死」という言葉がイヤ、そして、何よりも話し相手が欲しいから、と言います。

これまで3人と付き合い、話しが進展したことがあるそうですが、相手女性の兄弟から「貧乏の人はダメ」と言われてしまったそうです。

住居は、1Kのバス・トイレ付き。ダンボール箱が山積みされて、寝る場所もありません。

生活は年金の14万円、家賃、光熱費、食費ですべて使い切りだそうです。

熟年カラオケ婚活に参加し、三田佳子さん似の60代のセレブ風女性と知り合いましたが、生活のレベルが違うと、気圧されてしまいました。

でも、後日メールをいただくことができたそうです。

91歳の男性

好みのタイプは、司葉子さん。6年前、60年連れ添った奥様を亡くし88歳から婚活を始めたそうです。

住居は、都内近郊の3DKの一戸建てで、生活にはまったく困っていないそうです。

婚活で知り会い3年付きあった70代の女性を、69歳の長男に会わせたところ、後日、彼女の方から別れの話しがあったそうです。

「せがれと会わせなかったら、今も交際が続いていたかもしれない・・」「結婚すると、財産のことも絡んでくるので
子供たちも嫌がるのですよ・・」と残念そうでしたが、息子の気持ちも理解できると言います。

今は、結婚というより友達として、一緒に食事したり、旅行に行ったりできる人を、婚活で探しているんだそうです。
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高齢者同士の結婚は、相手がいつ倒れたり、介護が必要になったりするかわかりません。もしかすると、翌年ということも十分あり得る話しです。

そうなった場合、結婚した相手を、誰がどう面倒をみるのかまで、しっかり話しあい確認しておく必要があるように思います。

残された親が、自分の親でなかった場合どうすばいいのか・・、高齢者の結婚は、単純に本人同士の意思だけでは成り立たないと思います。

そして、動けなくなってからの介護という問題も残っており、現在の我が国の福祉環境では、難しい問題が残されるような気がします。