埴沙萠(はにしゃぼう)さん82歳。里山の自然を追い続け、植物の世界を追い求める植物写真家です。

埴さんの描く足元の小宇宙は、まさに神秘の世界。シイタケから霧が流れるように放出される胞子の美しさ、葉っぱから輝きながらあふれでる水玉、吹き出すつくしの胞子植物が織りなす感動の世界を、光と時間で見事に切り取ります。

埴さんのHPに経歴がのってました。

1949年 作家でシャボテン研究家の龍膽寺雄に師事。
1951年 東京農大に砂漠植物研究室を創設。
1952年 東京農大に入学。講義に1日出席しただけで中退。

1960年 静岡県伊東市の大室山にシャボテン公園の 企画設計を担当。完成後 、東京農大の研究室を辞退して、瀬戸内海の山口県屋代島の無霜地帯に移り住んで砂漠植物の生態研究のかたわら、シャボテン愛好家や研究家、業者などの指導にあたる。

1968年 写真家として、郷里の 大分県の山野で植物の生態撮影に専念。
1994年 雪のなかの植物の生態を見たくて、群馬県新治村に転居。植物生態写真家の第一人者として活躍をつづけている。

一貫して植物の世界を追い求めている埴さん、スゴイですね。

kinoko

動かないと思っていた植物が、埴さんが見ると躍動の世界だといいます。

群馬県みなかみ町の住む埴さん82歳、40年以上にわたり身近な植物を撮り続けています。

カテンソウの花は、だれも来てくれないので、ピッチングマシンのように自分で花粉を放り投げ、風に乗せて遠くに飛ばします。

埴さんは、家の周辺をぐるーっと回って題材を探します。そして、毎日出会った植物に、言葉を添えてホームページに掲載しています。

そこは、埴さんの独自の世界観にあふれています。

埴さんが一番大切にしているのは、生命の輝き。植物の動きそのものにも生命を感じるそうです。

草花と水玉のテーマも、埴さんの大好きな題材です。植物は、水分を吸い上げ、葉から水玉を排水します。その生の瞬間を、カメラに収めます。

動かない植物たちが、動く瞬間に感動があり、小さな生命に巧妙な仕掛けが潜んでいます。

買ってきたキノコたちの胞子の舞、今まで見たことのない静かで厳かな世界です。

埴さんの人生と植物が織りなす見事なまでの一体感・・。

人と植物の生命のドラマが、一つになって流れるように展開していく・・。本当に、素晴らしい生き方ですね。