「うつ病」はよく聞かれる病名ですが、実はまだ原因がよくわかってない病気の一つです。

①神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなどが不足すると発症するという説、
②セロトニンの受け皿であるセロトニン受容体が増加にあるという説、
③その他、ホルモンやストレスが起因している説

などの要因が推測されています。

気分が沈む、興味がわかない、眠れない、食欲がわかないなどの症状が、他の病気からでているものなのか、それとも精神からきているものなのかを正確に診断することが必要です。

一番怖いのは、自殺です。年間3万人の自殺者の4割が、60代というデータがでているそうです。

高齢者の場合には、歳のせいかな?環境が変わったからかな?など思っているうちに、どんどん症状を進行させてしまうことも多いそうです。

うつの症状をしっかり見極めて、早いうちに適切な治療を受けておきたいですね。

うつ病の早期発見、適切治療法

●うつ病の名医
・高齢者のうつ~慶應義塾大学 三村將先生
・病気とうつ~日本医科大学武蔵小杉病院 岸泰宏先生
・自殺予防~横浜市立大学 河西千秋先生

●うつ病のきっかけは「喪失体験」
・大切な人の喪失~妻、夫、家族、子供の独立、結婚など
・健康の喪失~病気や体力の衰えなど
・社会的役割の喪失~退職やリストラ、左遷など

●うつ病のサイン
抑うつ気分、興味や喜びの喪失、眠れない、食欲がない、疲れやすい、動きがにぶい、自分を責める、集中できない、死んでしまいたいと思う

などの思いが、1日中、または、2週間以上続いているとうつ病の可能性があるそうです。

●うつ病の診断基準(DSM-IV)
1.気分が沈んでいる(抑うつ気分)
2.興味がわかず楽しめない(興味または喜びの喪失)
3.食欲が低下(増加)、体重が増減(食欲の減退・増加、体重増減)

4.寝付けない、夜中や早朝に目が覚める(睡眠障害)
5.動作や話し方が遅い、またはイライラしたり、落ち着きが無い(精神運動機能の障害)
6.疲れを感じたり、気力がわかない(易披露性、気力の減退)

7.自分に価値が無い、または申し訳ないと感じる(強い罪責感)
8.仕事や家事に集中したり、決断することができない(思考力・集中の低下)
9.この世から消えてしまいたいと思うことがある(自雑念慮)

●治療
治療は、休養、十分な睡眠、適切な薬による治療が行われます。また、場合により認知行動療法がとり入れられることもあります。

薬物による治療には、主に抗うつ薬が使用されます。また、症状に応じて抗不安薬、睡眠薬などの薬が併用されることもあります。

担当のお医者さんと相談しながら、副作用や他の薬との飲み合わせなどを確認しながら、自分に合った薬を探すことが必要です。

●うつ病の再発を防ぐ
うつ病は約5割の人が再発すると言われています。

注意点として、
・自分のうつ病の特徴をしること
・アルコールは眠りの質をさまたげ悪循環になることが多いので注意
・社会的な環境を整えるため、周囲の人が理解し支援すること

周りに、うつの方がいらっしゃったら、しっかり理解しサポートしてあげてください。