毎回、あっと言わせる斬新な講義をしてくれる100秒博士アカデミー。今回は、がんの専門家森田豊先生が最新のがん治療法を教えてくれます。

がんの治療法は、最近どんどん進んでいて、毎日のように新聞やテレビで発表されています。

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しかし、実際、一般の私たちがどこまで治療を受けることができるのか、わかりません。そこで、森田先生が「がん治療ベスト3を教えてくれます。

森田先生は、ハーバード大学医学部専任講師や、埼玉県立がんセンター外科系医長を勤めていたので、説得力があります。

専門家が選ぶ「最新がんの治療法 ベスト3」

●腹腔内温熱化学療法

早期胃がんなら生存率は100%治の治療法。これまでの胃がんの手術は、胃を摘出するときにがん細胞がお腹の中にこぼれ落ちてしまい、それが原因で再発や転移してしまうことがありました。

しかし、胃を摘出した後、42℃の温度に温めた抗癌剤入の整生理食塩水で、30分間お腹の中を洗浄することによって完全にがんを死滅させることができるそうです。

抗癌剤で直接洗うことができるため、通常の抗癌剤の70倍の濃度で腹腔内を洗うことが可能で、30分でこぼれ落ちたがん細胞は死滅してしまします。

この手術法により、これまでの初期、中期の胃がんの5年生存率が72%だったのが、ほぼ100%近い生存率になったそうです。

現在、この手術ができるのは、滋賀医科大学附属病院です。保険適用外ですが、現在保険適用になるよう働きかけているそうです。

●凍結治療

今まで腎臓にがんができると、手術により腎臓を完全摘出してましたが、この凍結治療により、腎臓を摘出しなくてもよくなりました。

手術法は、背中に小さな穴をあけ-185℃のガスが流れる針を、腎臓に直接差し込み、がんを凍結させ死滅させてしまいます。

死滅したがんは、脂肪化してしまうためその後の体への心配は、まったくないそうです。

凍結治療は、現在、全国10箇所の病院で治療が受けられます。腎臓がんのほか、肝臓がん、肺がん、乳がんにも適応できるそうです。

保険は、現在4cm以下の腎臓がんのみ適用され、実質負担金は、約16万円+入院費だそうです。

骨の悪性腫瘍、骨のがんでも凍結治療は行われているそうです。

●放射線治療 自動追尾システムサイバーナイフ

手術も入院も必要ない放射線治療法、サイバーナイフ。がん細胞にピンポイントで放射線を照射し、がんを死滅させるガンマナイフは、これまでの患部が固定できる頭部にしか適応できませんでした。(呼吸により体が動くため)

そこで、自動追尾システム搭載のサイバーナイフが登場。体につけたマークをアームが自動追尾して、体の動き(呼吸)に合わせ、確実にがんに照射することができるようになりました。

この治療法は、麻酔も、手術も入院もなし。自宅から通院して治療ができます。

サイバーナイフによる治療は、首の上のがん、肺がん、肝臓がんに行われており費用は約63万円です。

最新のマシン、サイバーナイフG4は、体にマークすることもなく完全に追尾し、がんを照射することができるそうです。

今後は、遠隔操作で手術する医療ロボットなどにより医療の現場は大きく変化していくそうです。