大腸がんは急速に増えているがんの1つです。以前、症状があったら手遅れとされていた大腸がんですが、最近では、助かる確率が上がっています。

斎藤豊大腸がんESD

大腸がんに多い直腸がんの5年生存率は、早期で96.9%、進行がんで86.4%、リンパ節まで転移している場合でも71.1%と高い生存率になっています。

大腸がんには、表面までのもの、粘膜下層まで達しているもの、リンパ節や他の臓器に転移しているものなどに分けられ、粘膜下層まで達していない物は、早期がんとして内視鏡での手術が可能です。

大腸がんの治療法は、色々な先生が開発した色々な手法がありますが、今回のスーパードクターズで紹介された斎藤豊先生は、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と言う方法で、お腹を切ることなく、内視鏡でがんの部分を削ぎ取ります。

ESDは、大腸の粘膜下に粘性のある液体を注入してがんを浮き上がらせ、電気メスでガンを一気に取り除く画期的な手術法です。

この場合、粘膜下層に達していなければ、5cmや10cmほどの大きなものまで可能だと言います。5cmのがんなら検査から手術が終わるまで約40分と言う速さです。

早期ガンであれば、開腹したり、腸を切り取ることなくガンを取り除けるので、いかに早期発見がポイントか分かりますね。

早期発見で100%近く治る大腸がんの最新治療

今までの治療は、内視鏡では2cm以下の腫瘍でなければ取り除くことができませんでしたが、今では、10cmでも15cmでも内視鏡でしっかり取り除くことができる時代になりました。

この治療を行うのは、国立がん研究センター中央病院の斎藤豊先生です。

番組で紹介されたのは、便潜血検査でガンが発見された男性。中枢開口部にできた表面型腫瘍を取り除く治療を受けました。

斎藤先生は、大腸の壁に特殊な液体を吹きかけて、わかりづらい表面型腫瘍を特定し、器具を使って腫瘍を持ち上げ、その器具で粘膜の下層を切断していきます。

非常に難しい部分にできた癌は、少しでも手元がぶれると大腸の壁が傷つき緊急外科手術を要します。

熟練の腕が必要になり、斎藤先生の教えを乞うために世界各国から医師が研修に訪れます。

癌でも、開腹手術することなく切除できる技術、素晴らしいですね。