毎日なにげなくしている呼吸。心臓のことは結構心配するのに、呼吸のことってあまり気にしたことないですよね。でも、呼吸が止まれば命がなくなるほど大事なものであることは、誰もが知っています。

人は呼吸しているから生きている・・って言うくらい大切なんですよね。呼吸は、横隔膜が上下することで肺が膨らんだり縮んだりして空気を取り入れているのですが、その動きをコントロールしていうのは脳です。

脳の延髄の中に呼吸中枢と呼ばれる部分が、肋骨筋と横隔膜の動きをコントロールすることで呼吸が成り立っています。呼吸する仕組みが他の臓器と違っているのは、無意識と意識の両方で動かすことができることです。

水に潜るときは息を止めますし、はあはあと呼吸数を上げることもできます。一方では、意識しなくても自然に呼吸して、走ったり熱が出たりすると、自然に呼吸数も上がってきます。

つまり、呼吸は無意識で行う自律的な運動と、自分の意志で動かす随意的な運動の2つでコントロールされており、他の臓器とはまったく違った仕組みで行われているんです。

本当に、人の身体ってよくできているな・・と関心してしまいますね。でも、この仕組みが正常に働かず、夜寝ている間に突然呼吸が止まってしまう「呼吸喪失症」の人がいるそうです。

無呼吸

最近よく知られるようになったのが、睡眠時無呼吸症候群です。太っている人やあごの小さい人が睡眠時に空気の取り入れ口である上気道が狭くなってしまいおこります。

でも、何の前触れもなく突然呼吸が止まって死んでしまう呼吸喪失症の人がいるそうです。それは、ある臓器が原因となっているそうです。そして、その可能性のある人は、なんと100万人いるということですから、自分や家族の命を守るためにも、しっかりチェックしておかなくてはなりませんよね。

NHKためしてガッテンでは、睡眠中の呼吸喪失症「中枢性睡眠時無呼吸」について特集しました。

睡眠中に息が止まり突然死 中枢性睡眠時無呼吸

睡眠時無呼吸症の場合には、大きなイビキ、昼間に眠いというサインがありますが、この病気の場合には、何の自覚症状もサインもなく寝ている間に無呼吸が起きて最悪ベットの上で死んでしまうという恐ろしい病気です。

ある男性は一晩で98回も呼吸が停止し、血液の酸素飽和度は80という非常に危険な状態に陥ってました。98回の無呼吸になっていた時間は、なんと40分30秒。その間、身体は低酸素血症の状態で、大変危険な状態だったようです。

通常、脳の指令で肺が動き呼吸してますが、脳が働かないときは脳幹にある自動呼吸マシンから信号を送り呼吸をさせています。しかし、自動呼吸マシンのセンサーが何らかの原因でうまく作動しなくなると、呼吸の信号が送られず肺の動きが停止してしまうのです。

実は、脳幹の自動呼吸マシンは、二酸化炭素を感知して働きます。しかし、心臓の働きの悪い人は血液の循環が悪いため、二酸化炭素が脳幹に届きにくくなります。そのため自動呼吸マシンのセンサーが働かず、呼吸するための信号を送らなくなってしまうのです。

この病気は、最近注目されている病気で「中枢性睡眠時無呼吸」といいます。心臓の悪い人は、この病気になりやすく、無呼吸になることで心臓に負担がかかり心不全がおこり、さらに無呼吸をおこすという魔のサイクルが起こってしまいます。

中枢性睡眠時無呼吸の気づき方

・ネタ直後から30分
・息遣いが小→大→小の呼吸を繰り返す

呼吸数はそれほど変わらず、大きなな呼吸から小さな呼吸に変化することをチェックします。睡眠してから30分から1時間ほど、家族の人に診てもらって観察するといいそうです。

一人住まいの方には、パルスオキシメーターを専門の医療機関(睡眠呼吸障害を診察している病院)で借りることでチェックすることができます。一晩中のデータが記録されますので、無呼吸になっているかどうかが診断できます。

この病気は、心臓の病気とセットになっているので、まずは心臓の治療をすることが重要となります。心臓がよくなれば中枢性睡眠時無呼吸がおきなくなり、中枢性睡眠時無呼吸を治せば心臓の機能も改善するという関係にあります。

中枢性睡眠時無呼吸の人は、CPAP(シーパップ)空気で圧力をかけ心臓の働きを助ける装置や、ASV(人工呼吸器)呼吸停止を防ぎ心臓の負担を抑える装置をつけて睡眠し治療します。

心臓に問題がある方は、一度必ずチェックしてみてくださいとの事でした。