肺炎と言われると、寒いところに長時間いたり風邪などの病気をこじらせたりすると起こるというイメージがありますよね。でも、最近は寝ている間に、肺炎にかかる人が増えているそうです。その肺炎とは「誤飲性肺炎」です。

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誤飲性肺炎は、食べ物をうまく飲み込めす気道へ入り込み、肺の中で炎症をおこしてしまう病気です。多くの場合、寝たきりの高齢者に多くみられる病気ですよね。

それがなぜ、温かい布団の中で、ぐっすり寝ている間に肺炎が起こってしまうのでしょうか。発症するには、いつくかの条件があるようです。

①飲み込む力(嚥下機能)が弱っている
寝ている間にツバを飲み込むのですが、嚥下機能(飲み込む力)が落ちていると、寝ている間に気道に入り込んでしまう。

②熟睡していて気が付かない
起きている時は、すぐに咳き込み排出されれますが、寝ている時は気がつかず、気道にとどまってしまう。

③口内の雑菌が多い
虫歯や歯周病などにかかり、口内雑菌が多い状態にある。

④体の抵抗力が落ちている
中高年や体の調子が悪く、抵抗力が落ち細菌が繁殖しやすい状態にある。

これらが組み合わさると、気道の中で細菌がどんどん繁殖してしまい肺炎を引き起こしてしまいます。

誤飲性肺炎を防ぐには、嚥下機能を正常に働かせることが大切です。そこで、口、舌、頬の筋肉を鍛え、唾液の分泌を促し、嚥下がスムーズにするための運動法です。

肺炎の原因が隠れ脳梗塞

肺炎の原因が、隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)であった患者さんが急増しています。

隠れ脳梗塞は、大きな障害を起こすことは少ないのですが、飲み込む力の低下をまねく場合があります。特に高血圧の人は注意が必要です。

ツバを飲み込むときは、喉頭蓋が自然としまり気管に行かないようになっているのですが、隠れ脳梗塞が、睡眠中の反射機能を低下させることで、ツバが気道にはいってしまうことがあります。

ツバが間違って肺に入ったときは、咳などで侵入を防ぐのですが、隠れ脳梗塞の人は、反射神経の機能も衰えるので、侵入を許してしまい、肺炎を引き起こしやすくなります。

近年、脳の深いところにある脳梗塞の人の肺炎発症率が急増しています。

30秒で判明、口の中の唾液を飲んで「飲み込み力検査」

①人差し指と中指で「喉仏」を軽く押さえるように挟む

②口の中にある唾液を飲み込む

③喉仏が人差し指を超えて上に動きまた戻る

④唾液の飲み込みを30秒間で何回できるか数える

6回 高齢者の平均
5回以下 飲み込み低下の恐れあり
2回以下 要注意

飲み込み力アップ体操 嚥下おでこ体操

これは、喉仏の筋肉を鍛える体操です。

①背筋を伸ばして座る

②おでこに手のひらを当てる

③頭が動かないように手で押さえおへそを覗きこむようにする

④5秒間手のひらとおでこで押し合いをする

⑤1日5回程度行ってください

⑥反対の手で喉仏の上を触った時に筋肉が硬くなっていることを確認

嚥下おでこ体操は、食事の前に行うのが良いそうです。飲み込み力、今のうちから鍛えておきたいですね。