中高年になると高血圧や糖尿病、脂質異常に悩む人がぐ~んと増えますね。そういう私も、悪玉コレステロール値が高く脂質異常に悩む1人です。

中高年以降多くの人が悩む「高血圧」ですが、実は30代から40代の女性に多く、降圧薬を飲んでも一向に血圧が下がらない「高血圧症」があります。「原発性アルドステロン症」と言い、副腎にできる小さな腫瘍が原因です。

原発性アルドステロン症

アルドステロンは、塩分に含まれるナトリウムを確保するホルモンです。ナトリウムは、生物が筋肉を動かすための成分で、人間が健康的に生きていくには必要不可欠なホルモンです。

また、海に住む魚には周囲にナトリウム(塩分)が豊富なためアルドステロンがなく、陸に住む人間には、摂取したナトリウムを確保するためアルデステロンを確保する必要がありました。そのため、人間のアルドステロンが発達したと言われています。

そんなアルドステロンですが、ある異変により増加してしまうことがあります。アルドステロンが増加すると、血中に多くのナトリウムを取り込みます。すると、ナトリウムを薄めようと血中の水分を増やし、その結果、血液が血管を圧迫し、 高血圧となってしまいます。

アルドステロンを増加させる原因は、副腎にできた小さな腫瘍です。腫瘍と行っても癌のような悪性なものではなく、転移はしません。副腎の腫瘍が原因の高血圧を「原発性アルドステロン症」と言います。

薬を飲んでも効果のない高血圧の方は、このアルドステロンと言うホルモンの値を調べる血液検査をするとわかります。検査により、病気が確定したら、その後ホルモンの精密検査やCT検査などを行い、手術で腫瘍を取ります。腫瘍を取り除くと高血圧が解消されます。

手術は、お腹に小さな穴が空くだけの腹腔鏡下(ふくくうきょうか)で行います。

「原発性アルドステロン症」を疑う基準は
●薬を飲まなくても上の血圧が160以上、 または下の血圧が100以上
●薬を飲んでも上の血圧が130以上、 または下の血圧が85以上
●血液中のカリウム値が低い

手術に当たって、入院は5~7日程度、費用は20万円前後です。薬では、「アルドステロンきっ抗薬」という薬でホルモンの働きを抑えることができます。

このような場合は、一度この病気を疑っても良いですね。