私たちの年代になりますと、ほとんどの方が腰痛、膝の痛み、肩こりを抱えています。

これらの痛みは、あまりにも身近であるため、病気として捉えられてない傾向にあります。

ところが、今回は、腰痛には「死に至る腰痛」があるという怖いテーマです。

では、死に至る腰痛とは、いったいどんな腰痛なのでしょうか。

一般的には、腰痛は、筋肉、脊椎、脊椎管、椎間板ストレスなどに問題が起こり発生することが多いのですが、消化器系、泌尿系、婦人科系に問題があり痛みが迂回するような形で、腰痛に現れる場合があります。

また、がんが腰椎に転移している場合や、血管内が剥がれておこる解離性大動脈りゅう、骨に黄色ブドウ球菌などの細菌感染が原因となって起こる腰痛の場合には、死に至る危険性もあります。

ある患者さんは、会社で背伸びをした瞬間、ハンマーで殴られたようなドーンというような腰の痛みが襲いました。ぎっくり腰かと思っていたところ大動脈瘤乖離でした。

別の患者さんは、慢性の腰痛に悩まされ貼り薬で痛みをごまかしていました。ところが調べてみたところ、即死の危険性もある腹部大動脈瘤でした。

危険な腰痛の見分け方

川崎市幸区にある川崎幸病院 柳沢先生は、腰痛のエキスパートです。

先生の診断のポイントは「横になってください」です。横になっても痛みがとれないのは、とんでもない腰痛の可能性があります。

普通の腰痛なら、横になると腰への負担が減るため痛みは楽になります。

つまり、横になって痛みがとれないということは、他に原因があるということです。

とんでもない腰痛

・大動脈乖離
血管の内膜が剥がれてしまう病気です。1年以内に50%の死の危険性があります。

痛みの特徴 突然引き裂かれるような痛み。腰痛に加え、背中、胸の痛み。痛む箇所が動くのが特徴。防ぐには、動脈硬化を改善するのが一番です。

・腹部大動脈瘤
大動脈に大きなコブができる病気です。3年以内に75%の死の危険性があります。

痛みの特徴 ほとんど痛みなし。痛みは破裂寸前、炎症のあるとき。高齢になったら、定期的にCTなどで検査を受けてください。

・その他
すい炎 がん 尿路結石 腎結石 椎体骨折 があります。

温湿布、冷湿布どっち

整形外科のガイドラインによると急性の場合には、温熱療法は効果がありますが、寒冷療法は、有効性は見られないそうです。

慢性腰痛に関しては、温めたり冷やしても効果はあまりないそうです。

湿布は、温湿布、冷湿布、どちらも体温に対しての影響はないのでどちらでもいいそうです。

腰の画期的な治療法とは・・

腰痛防止には、ウォーキング。肘あげホーズを時々とり、良い姿勢で歩くと腰痛改善するそうですよ。

腰痛防止の歩き方
①肘をあげてお腹に力を入れる
②この状態で腕だけを下げて姿勢をキープ
③普段の生活のほか、1日15分のウォーキング

歩いても改善しない場合には、腰部脊椎管狭窄症の可能性があります。その場合には、姿勢が前かがみになる自転車がいいそうです。

自転車に乗れないときは、手押し車、杖でもいいそうですよ。

腰痛があると生活の質がぐっと落ちてしまいます。腰痛を防止して、元気ハツラツ過ごしたいですね。