夏になると増える脳梗塞。寝ている間に水分が不足すると、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。

夏の脳梗塞を防ぐには
●寝る前のコップ1杯のスポーツドリンク
●お風呂で5分の「足のクイクイ運動」でふくらはぎの血栓を予防
が効果的です。

脳梗塞の原因となるのは、心臓でできた血栓が脳の血管に詰まることが多いのですが、足にできた血栓が原因で脳梗塞になることも多いと言います。特に若い人は要注意です。

夏は脱水症が原因で血液の濃度が高くなり、足に血栓ができやすくなります。足の血栓ができにくくするには、お風呂の中でマッサージや運動をすることがポイントです。

足のクイクイ運動

浴槽の中で温めながら、ふくらはぎを刺激します。足首を上下にクイクイと動かします。

これで、血栓ができやすいふくらはぎの血行を促します。

また、脳梗塞の前兆として、指が動かない、ろれつが回らないなどが挙げられます。10分程度で症状が治まることもあるので注意が必要です。

脳卒中のチェック法
①笑顔でイーと言って顔がゆがまずにいられる?
②腕をまっすぐ平行にあげていられる?
③「らりるれろ」を3回言える?

脳梗塞の特効薬として、t-PAがあります。注射をするだけで、できてしまった血栓を溶かします。

しかし、薬が認可された当時は、脳梗塞患者の中でt-PAを使用できるのは、たった3%でした。それは、タイムリミットがあるからです。使えるリミットは、4時間半以内。検査の時間もありますので、最低でも3時間くらいで病院に着くことが必須です。

ある女性の体験談ですが、彼女は渋谷駅で体調の不良を感じ、改札口で倒れてしまいました。彼女は、t-PAの治療で命が助かりました。

彼女が助かった理由は、

①t-PA治療可能な病院へ1.7kmの距離を約4分で搬送

②人通りの多い中で周りがすぐに異常に気付いた

t-PAを打つ病院は決められています。違う病院に搬送されていたら、t-PAは投与されていなかった可能性もあります。

このように、t-PAの治療には制限がありますが、昨年認可された画期的治療は、t-PAが間に合わなかった人にも助かる可能性のある最新治療法です。

t-PAが間に合わない人に最先端治療ステントリトリーバー

この治療法は、血栓を回収する医療器具「ステント」を使い、ステントを血栓に通して絡ませ、絡ませた血栓を回収する治療法です。

ステントリトリーバーで脳から回収した血栓の画像です。ミミズ状になった血栓はかなり大きいですね。

ステントリトリーバーで回収した血栓

また、t-PAで回収できないほどの大きな血栓は、この治療法が向いているそうです。

新しい治療法がどんどん開発されていますが、脳梗塞は予防することが大事です。食事では、納豆に含まれるナットウキナーゼに血栓を溶かす効果があると言われています。

納豆を毎日2パック食べられない人は、ナットウキナーゼのサプリメントもあります。

日ごろの心がけで、脳梗塞や心筋梗塞を予防しましょう。