不眠症は、今や日本人とは切っても切れない疾病になっています。眠れないことはとても辛いもの、と言うのは、経験者でないと分からないところもあります。

眠らないと死ぬ病

不眠症が国民病になりつつある現代、死に至る不眠症、致死性家族性不眠症と言う疾病があります。

これは、「家族性」と言う病名の通り、遺伝的なものです。遺伝する可能性は、50%と高いそうです。

人は、睡眠によって脳や体の疲れを取るようにできていますが、それができないことで、体は疲れたままになり、様々な症状が現れます。

致死性家族性不眠症(FFI)は、まったく眠れなくなり、症状が悪化すると、動悸、頻脈、冷や汗が現れ、食事ができなくなり、どんどんやせ細り、歩行が困難になり、やがて死に至ります。

発症すると、治療法はなく、確実に亡くなります。番組で紹介された男性は、発症から1年半で亡くなりました。

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FFIは、遺伝子が突然異変することで、脳の視床に異常なタンパクが蓄積し脳神経細胞を破壊するする病気です。

脳にある視床が破壊されると、大脳皮質に命令が行かず、起きたままの状態になります。「眠ってもいないし、起きてもいない」こんな状態になるそうです。

睡眠をとっているように見えても、眠っていない状態では、疲れを取ることができませんね。眠ることが生命を維持することにつながると言うことがよく分かります。

世界では、数十例(数十家族)、日本でも数家族の報告があります。この病気になるかどうかは、遺伝子を調べるとわかるそうです。