人には、体内時計があり体のリズムを脳がコントロール
していたと思われていたのですが、遺伝子の研究結果
新しい事実が次々とわかってきました。

実は、身体の細胞の一つひとつに時を刻む時計遺伝子があり、
それで体の個々のリズムがつくられているそうです。

その時計遺伝子を利用した、さまざまな治療効果の紹介です。

【ダイエットへの応用】
脂肪を体内に溜め込むのは、脂肪遺伝子がコントロールしており
スイッチがONの間に脂肪を溜め込み、OFFの時は溜め込まないそうです。

そのスイッチの鍵を握るのが、時計遺伝子であり、同じように食べても
太りやすい時間と、太りにくい時間があることがわかってきました。

番組では、同じカロリーの食事を、時間をずらすと
どのように影響するかの実験をしていました。

時計遺伝子の研究が専門の榛葉繁記教授によると
BMAL1という時計遺伝子が、食事のエネルギーを脂肪としてためる働きを
コントロールしているそうです。

BMAL1は、朝から午後3時に向かって減り、夜には約4倍に増え脂肪を溜め込みます。

この時計遺伝子の機能を利用すると、食べる量を変えずに食べる時間を変えるだけで
ダイエットすることができるということです。

●時計遺伝子ダイエットの守るべきポイント
 ①朝食をとる
  朝食をとると身体の活力がでてきて、1日の消費するエネルギーが高まる
 ②夕食は早めに
  夕食は夜9時までにとることがおすすめ
 ③分食を利用する  
  5時か6時に軽いものを食べておき、夕食の量を減らす。2度にわけて食べる。

上記を、NKHの男性アナウンサーが1ケ月実験したところ、
体重は86.4kgから83.9kgに確実に減ってました。

●時計遺伝子ダイエットのノウハウ
 ①3食をとる。朝:昼:夕=2:3:3
 ②食事の時間は一定に
 ③夕食時間は夜9時まで(できれば8時まで)
  どうしても遅くなるときは分食する
というのがコツだそうです。

【医療への効果】
時計遺伝子の研究は、、最新の医療にも生かされており、
身体のリズムに併せて、投薬することによりその効果を最大まで高めることがわかってきました。

●関節リウマチの70歳の女性例
5年前に関節リウマチ診断され治療をうけており、
あまり効果があがらなかったのですが、同じ種類、同じ分量で、飲む時間を
「朝、夕2回」を「寝る前」に変えたところ、症状は大きく改善したとか。

この治療法を開発した富山大学医学部 藤秀人教授によると、
リウマチの原因物質は、朝から夕方に向かって減り、
深夜にピークを迎えて放出しているので、それにあわせ投与したところ
その効果が格段に高まったそうです。

●肝臓ガン33歳男性の例
肝臓にできた巨大な癌ができ、ガンが大きすぎて手術できず、
抗がん剤治療で小さくしようとしたがなかなか効果が現れなかったそうです。

そこで、抗がん剤の量を従来の1.5倍にし投与を寝ている間に切り替えたところ
2ケ月後、患者さんのガンは大幅に小さくなり、無事手術し取り除くことができたそうです。
しかも、量を1.5倍増やしても、強い副作用はおきなかったとのことです。

がんの時間治療を行ってい横浜市立大学医学部 田中邦哉准教授によると
正常な細胞には抗がん剤を分解する能力があり、この力は夜中に最も高まるため
夜に抗がん剤を大量投与すれば、正常細胞への影響は抑えられ、
がん細胞を効率よくたたくことができるとのことです。
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時計遺伝子の専門家 山口大学 明石真教授によると、この時間治療は
海外では食道ガン、胃がん、すい臓がんに対しても行われているそうです。

残念ながら、日本ではまだ研究途中で、横浜市立大学 付属病院だけが
主な治療機関になっているということです。

●その他 
時間治療は、骨粗しょう症、関節リウマチ、脂質異常症、
リウマチ、喘息、高血圧などの治療にも効果をあげているようです。
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こんなに治療効果が上がるなら、日本でも少しでも早く、
いろいろな医療機関で取り入れてほしいですよね。