今、日本人女性の46人に1人の割合で、子宮がんにかかっているそうです。

子宮頚がんは子宮の入り口部分にできるがんです。年間8900人がかかり、約2700人が死亡しています。

10年前までは、子宮を全摘出するしかなかった子宮頚がん。それは、一生妊娠できない身体になってしまうことを意味します。

現在は、広汎性子宮頸部摘出術という子宮温存術により、子宮を残しながら子宮がんを取ることができるようになりました。

しかし、この手術は、あまりにも難しく現在、全国でも限られた病院でしか執刀できません。

日本で子宮温存術が最も多いのが、慶応大学病院。田中京子医師は、今年病院で行われた温存術の7件すべてを執刀しました。

tanaka

彼女は、子供の頃からブラックジャックに憧れ医者を志すようになったそうです。

女性の気持ちもよく理解できることから婦人科を選択。だから子宮頚がんを治すのは使命的なものだと言います。

そのメスさばきは、丁寧でかつ早く確実です。

子宮頚がんに悩む40歳の女性が、田中先生のもとを訪ねました。かかりつけの医師に子宮全摘しかないと宣言され、最後の望みをかけ慶応大学病院の田中先生のもとを訪ねました。

広汎性子宮頸部摘出術とは、ガン細胞に侵された子宮頸部と膣の一部、さらにリンパ節をがんの病巣ごと切り取り、子宮体部と膣を再び縫い合わせ、子宮の本体を温存し妊娠の可能性を残す手術法です。

しかし、ガンの境界線を判断し、子宮どれだけ残すか、ガンのリスクと妊娠の可能性の見極めなど、 医師には難しい決断が必要です。

田中先生の手術を受けた40歳の女性は、無事温存手術を行うことができました。

慶応大学病院では、子宮温存術160件中 妊娠までたどり着けたのは、10年間で34件だそうです。

早期発見が必要なので、若い人達にも積極的に検診を受けてほしいと言います。