冷え症の人にとって、夏はとっても厄介な季節です。ちょっと動けば汗がダラダラなのに、体の芯は冷えている状態。実は、女性の8割は「夏の冷え性」に悩んでいるそうです。

電車の中、オフィスやお店で、ガンガン冷房をかけられると、汗が一気に冷やされ、体が冷えきって完全におかしくなってしまいますよね。

クーラー病

冷えには3つのパターンがあります。
①手足が冷える四肢末端型、
②上半身はのぼせているのに下半身が冷えている下半身型
③手足が暖かいのに体の中心部が冷えている内蔵型

下半身型は、中高年になると増えてきます。原因は、お尻まわりの筋肉、梨状筋にあります。毎日の疲れでお尻周りの筋肉が固まると、その間を通る坐骨神経が圧迫されてしまいます。

坐骨神経には血管の太さを調整する交感神経があり、これが刺激されると血管が収縮して下半身に血が流れなくなってしまいます。

対策は、お尻の筋肉を柔かくすること。梨状筋をほぐし冷え性を改善する「お尻体操」が効果的です。

冷え性は、冷えのタイプに合った方法で対処しないと逆に悪化してしまいます。これから夏本番、夏の冷え性対策しっかり覚えておきましょう。

夏の冷え性はお尻の梨状筋が原因

夏の冷え性は、
①30代以降に患者が増える下半身型冷え性
②対処法を間違えると良くならない
このような特徴があります。

今回、この夏の冷え性を解説してくれるのは、北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛医師です。

冷え性のタイプは、5つに分類されますが、その中で代表的な冷えのタイプは
①手足の先が冷える 四肢末端型
②お腹を中心にして体の中が冷える内臓型
③下半身が冷える下半身型

です。

下半身型冷え性の人がする間違った対処法とは、足湯です。足湯は、足の内部や表面の血液が温まり、熱が上半身へといきます。これにより、上半身はのぼせ状態、熱がこもっているのに過剰に温められる状態になります。

足湯をすると、上半身がのぼせ状態なので、
冷房をつける→下半身が冷える→足元を温める→上半身が熱くなる→冷房をつける
このような負のスパイラルに陥ってしまいます。これが夏の冷えです。

また、夏の冷えの1つである、下半身型の冷え性の原因は、なんとお尻だと言います。その筋肉は「梨状筋」と言う筋肉です。

下半身型冷え症は、梨状筋が硬くなり、坐骨神経痛に影響することで、足の血管が収縮し、温かい血液を足に運べない状態になることで起こります。

正常の梨状筋は柔らかいのですが、老化や運動不足、また、無理な姿勢を続けることで梨状筋が硬くなります。

自分の梨状筋が硬くなっているかどうかのチェック法があります。

【梨状筋のチェック法】
①足首を反対の脚の膝に乗せます。
②前傾姿勢になりヒジでヒザを押します。

お尻の後ろに突っ張ったり、痛みが出る場合は、梨状筋が硬くなっていると言います。

では、硬くなった梨状筋はどうやって柔らかくするのかと言うと、野球の軟式ボールを使い、硬くなった筋肉のツボを押します。

梨状筋にある、
①臀中(でんちゅう)②環跳(かんちょう)③胞肓(ほうこう)3つのツボを押してほぐしていきます。

梨状筋が硬くなると、血流が低下し、発痛物質が発生します。発痛物質が発生すると、押すと痛みが現れます。その部分がツボです。しかし自分でお尻を指圧するのは難しいので、野球の軟式ボールを使います。

軟式ボールを使った梨状筋の指圧法
①仰向けに寝ます
②ボールをお尻の下に入れます
③痛みのある凝っている場所を探します
④腰を左右に軽く動かしマッサージをします。
⑤目安は1つのツボを30秒ほど

夏の冷えの原因である、下半身型冷え性は、梨状筋マッサージで解決ですね。明日は、軟式野球ボールをゲットですね。^^