スーパーナンキンムシの被害が増えているそうです。ナンキンムシと言えば
昔からいる害虫で別名は「トコジラミ」。

南京虫に刺されると痒みがひどく、かきむしってシーツが血だらけになったと言う経験のある人もいるかと思います。ナンキンムシは、昼間は畳の隙間などに潜んでいて 夜になると、人の吐く息(二酸化炭素)をたよりに近づき、 唯一の栄養源としている人の血を吸います。

昔はよく刺されましたが、戦後、強力な殺虫剤のおかげで、ほとんど見えなくなりました。しかし、最近、パワーを増強したスーパーナンキンムシの被害が大発生しているそうです。

特にニューヨークなどでは、被害が広まり、大型衣料店が一時閉鎖に追い込まれた程。また、ナンキンムシが大量発生した建物は、大型のヒーターを使い、建物全体を密閉し、蒸し焼 きにして退治するという方法をとっているようです。

スーパーナンキンムシの特徴は、殺虫剤が効かないこと。害虫駆除会社によると、毎年3倍ずつぐらい問い合わせ件数が増えているそうです。

なぜ、殺虫剤が効かないスーパーナンキンムシが増えているかと言うと殺虫剤が多く利用されている海外の南京虫が、渡航者によって日本に運ばれているためです。

特に、欧米では、ピレスロイド系の薬剤が多用され、それらの殺虫剤に抵抗力が付いた強い虫が出来上がり、それが日本に入ってきているそうです。

また、ナンキンムシは2ヶ月で成虫になり、毎日5個づつ卵を産んでいきます。つまり、繁殖力が強く、殺虫剤への適応能力が優れているため、有効な殺虫剤の開発が追いつかないそうです。

では、ナンキンムシに刺されたり、大量発生した場合は、どうしたらよいのでしょうか。

まずは、なるべく数が少ないうちに、すこしでも早く見つけることが大切です。そうは言っても難しいですよね。そこで簡単に見つける方法があるようです。それは、ドライアイスを使う方法です。

ナンキンムシは、人の吐き出す二酸化炭素によってくる習性があるので、その習性を利用し、ドライアイスに水を注いだ時に発生する二酸化炭素でおびき寄せます。

外はザラザラ、中はツルツルの容器にドライアイスを入れ、水を注ぎます。ナンキンムシがお皿に入りやすくするため、皿の周りをザラザラにし登りやすくします。お皿の中をツルツルにするのは、一度入ったナンキンムシがツルツル滑って出られないようにするためです。

お皿の周りに、紙テープなどをはってザラザラにしておくといいそうです。

見つけたらどうするか?これが大切です。

家庭では、洗濯をする、熱で退治する、吸い取ってしまうことが唯一の駆除方法だといいます。市販されている殺虫剤を使うと抵抗力のついたナンキンムシがどんどん増えてしまうのでやめた方がいいといいます。

また、専門の業者に頼むのも手です。 業者の駆除方法は、家財道具を全部運び出し、専用のトラックにいれ 90度の熱風を吹き込み駆除します。熱に弱い家具は手作業で行うため、費用は数十万かかります。

日本より被害が深刻な米国では、IPM(総合的病害虫管理) という考え方で対応しています。 害虫の生態や習性を調べ駆除に利用しようとするものです。

ナンキンムシの習性を調べてみると、みどりや白い色には集まらず、黒い色に集まるなど、いろいろなことが解ってきました。その結果により、ナンキンムシの捕獲セットが次々と開発されています。

また、米国では国が助成金をだして、10の大学で一斉に研究がスタートしています。 人を餌にするナンキンムシは、どんなことをしても撲滅させてほしいですね。