私たちの世代になってきますと、毎週のようにお墓の電話やチラシが入ってくるようになります。

子供の入学前のランドセルのようにポストに投函され「お墓の準備を」じゃ、ちょっと・・思ってしまいますよね。

でも、知り合いの方が突然亡くなって、「お墓用意しておいたほうがいいよ」などという声を聞くと、やっぱり買っておこうかな・・と考えてしまいます。

ところが、昨今のお墓事情はちょっと違った方向へ進んでいるようです。

東京都が売り出した「樹林墓地」が、大変な人気です。競争率は、なんと20倍!

樹林墓地とは、樹木の下に、共同の埋葬スペースを設けそこに遺骨が収められます。遺骨は年月を経て土に還るようになっています。

利用料金は1人13万円。お墓の手入れの手間や費用などの遺族負担、高い墓地や墓石など100万円単位での出費を考えると、その人気の程もわかります。

また、民間の霊園では、宗教や宗派に関係ない合葬墓(がっそうぼ)や納骨堂を設けており、同様に人気のようです。

情報LIVEただイマでは、変わりつつある最新お墓事情についてのレポートです。

お墓の困りごと

費用も手間も「お墓で困った」と思っている人達の例をご紹介します。

お墓の費用に困っている

両親が亡くなり、両親が用意したお墓を管理するお寺の住職から年間6万円の管理料、お経を読むと20万円とその他にも高額な料金を請求され、2年半で300万円以上支払った。住職に会うたびにお金を要求されるので、住職に会わないように、お墓参りは夜にしている。

お墓の管理に困っている

長男の嫁として、毎月義理の父親の墓参りをしないと親戚から文句がでる。お供えの花、約7000円の花の種類も親戚が指定。お供えと花で毎月10,000円の出費。毎月1回、お墓の掃除と草むしりに1時間かかる。子育てのときも熱があっても欠かすことができず、もう20年続けている。

最近の一番のお墓の悩みは、「遠くてお墓参りができないのでお墓の引越しをしたい」です。しかし、お墓の引越しは簡単には行かないようです。

お墓の引越しにかかる料金は、東京都の平均で
新しいお墓代 約160万円
お布施 3~10万円
石材店作業代 10万~15万円
離檀料 ?(お寺は檀家が離れるのを嫌がり300万円請求する例も)

また、他にお墓のお悩みで一番多いのは、「夫(姑)と一緒のお墓に入りたくない」です。これは、よく聞く話ですね。

大人気の樹林墓地や合葬墓

東京豊島区にあるお寺では、共同墓地の合葬墓があり、1つのお墓に2800人程眠っていると言います。このお寺に合葬墓に埋葬すると、カードが渡され、そのカードで管理します。また、インターネットで毎日自宅でお墓参りができて便利だそうです。

インターネットの画面には、遺影の他、生前の写真を登録することができるので、故人の写真を見ながら、行きたい時にお墓参りができると、人気があるようです。

「遺骨祭壇」という家具も人気だそうです。これは、分骨せずに遺骨を収めることができる仏壇です。お墓を持つことに疑問を感じている人はいかがでしょう。これを選んだ方は、「気持ちを込めて供養できるならどういう形でもいいのではないか」と言っていました。

ここで「お骨を自宅においていいのか?」と言う疑問を感じる人がいるかと思います。墓地埋葬法第4条によると、「埋葬、または、焼骨の埋葬は墓地以外の区域にこれを行ってはならない」と定めています。

しかし、自宅にお骨を置くことは、埋葬ではありません。墓地以外の場所に埋葬することが禁じられているので、自宅に置くことは問題ないそうです。

最後に、最近話題の「樹林墓地」。費用も安く、毎年の管理料もかからないため人気を読んでいます。東京都小平霊園の場合、遺骨1体につき、13万4000円。管理費はかかりません。お骨を粉末にすると、4万円で済むそうです。

子供に迷惑をかけたくないと言うことで、樹林墓地の人気が高まっています。また、自然に帰りたいと言う理由もあるようです。

これとは反対に、お墓の問題は、そう簡単には解決できないと言う意見がありましたね。「農村地帯の家付き墓付きの家に嫁いだので、ご先祖様と同じ墓になるのは当然と考える立場です。多分新しい時代が来ても、形も考えも容易には変わらないのでは?」(50代女性)

やはり、古くからの風習や親戚の手前などから、自分の思ったようにはできない例も多いかと思います。

それぞれの家族が、それぞれの思いで供養すれば、どんな形でもいいのでは?と思うのですが、お墓の問題は、結構深く、そう簡単にはいかないようですね。