医療技術の発達は、私たちに色々な死の
ありかたを提案しています。

これまでは、食事ができなくなると
人は確実に1週間で死を迎えました。

しかし、医療技術の発達により、食事ができなくても
生きていくことが可能になりました。

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終末のあり方が色々と選択できるようになった今、
高齢者達は自分の最期の迎え方を考えるようになりました。
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今、「延命を望まない」と意思表示をする人が増えています。

厚生労働省の調べでは、延命治療を希望しない人が37.1%
どちらかというと希望しない人が 33.9% で全体の7割の人が
延命治療を望んでいないという調査結果がでました。

しかし、その希望が叶うことは難しいのが現状だそうです。

その理由は、家族は本人の希望とはうらはらに、
少しでも長生きしてほしいと治療を望みます。

また、救急車で病院に運ばれたとき医師は、
家族から訴えられるかも・・といった不安や使命感から
延命治療をせざるを得ない状況があるそうです。

延命治療とは、人工呼吸器、心肺蘇生、人工栄養による生命維持で
医療現場では「濃厚な医療」と呼ばれているそうです。

本人の意思を正確に伝えるためには、家族としっかり意思疎通をし
日頃からその準備をしておくことが大事だといいます。

このとき難しいのは、延命を拒否するのは
家族に迷惑をかけたくないからなのか、
本人の本当の意思なのか判断ができないことです。

また死が、治療の経過から予測される事態なのか、
心筋梗塞や脳疾患のように予測されない事態なのか、
また、救急車を呼ぶのか呼ばないのか、
家族の中での難しい判断が必要だといいます。

終末期の医療について、患者の意思を確認するため
「終末期の事前希望書」を書いてもらっている病院もでてきました。

その希望書には、家族との治療のトラブルを避けるため、
細かな治療方法のほか、自分の人生観や最期にしてほしいことを書いてもらい
証人1人と、家族の署名をもとめるようにしているそうです。
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名医と呼ばれる医者たちがガンにかかったとき、
どう自分を判断しているのか
「ドクターたちの死の選択」の記事はこちらから。